遺留分という制度
3月の岡本先生の講演で遺留分という話題がありました。
ご存じの方も多いとは思いますが、どのような制度が簡単に解説しておきたいと思います。
例えば、
亡くなった夫が、全ての財産を友人や愛人などの他人に譲り渡すといった遺言を残した場合、
それが全て認められてしまうと、生前夫にいろいろな面で協力してきた家族にとってはちょっと
可哀想な話ですよね。
そこで、民法では遺留分という制度を設けています。
これは、一部の相続人に対して認められた相続財産に対する最低保証額ともいえ、その割合は
民法1028条で定められています
民法1028条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
1 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
2 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1
(イメージ図)
なお、民法では遺留分に違反する遺言はできないとされていますが、だからといって遺言が当然に無効となるわけではありません。
遺留分に違反する遺言がなされた場合、それに納得がいかない相続人は、遺留分減殺請求権を行使する必要があります。
また、兄弟姉妹には1028条からも分かるように、兄弟姉妹には遺留分はありません。
相続人が配偶者と兄弟姉妹だけの場合、配偶者にすべての財産を譲り渡したいのでしたら、配偶者にすべての財産を相続させる内容の遺言をすれば、それを実現することが出来ます。